発汗サーマルマネキン
人の温熱的な快ー不快感は、 熱の授受(産熱量と放熱量の関係)に左右される。 従来、 このような関係を評価する装置として保温性試験機やサーマルマネキンなどが用いられてきた。 しかし、 人体と環境の温度差に依存する放熱性しか評価できなかった。 人体から熱を逃がす手段として、 “発汗”は大きな役割を持っており、 特に暑熱環境では主体的なものである。
発汗サーマルマネキンは、 マネキンが発熱するだけではなく、 模擬発汗が可能であり、 発汗時の衣服内や寝床内温湿度変化および放熱量の測定が可能である。 すなわち、 暑熱環境で着用する衣服(通気、 換気、 透湿、 吸水速乾などによるクーリング機能)の評価に適している。
発汗をともなう暑熱環境では、 いかに汗の蒸発を促し気化熱による体からの放熱を高めるかが重要になる。 しかし、 衣服はその汗の蒸発にとっては妨げとなる。 このような暑熱環境下での作業に対応するための衣服が開発されており、 その一例として株式会社空調服社製「空調服」がある。